精密金属部品加工業
美喜製作 株式会社
【代表者】前田隆則
【所在地】〒661-0951 尼崎市田能6-9-28
【TEL】06-6496-6367
【FAX】06-6496-6368
【資本金】1,000万円
【従業員】6名
【創業】 昭和45年4月
【URL】 http://www.mikiseisaku.com
【事業内容】 車両用電動機及び駆動装置部品加工
産業用機械部品加工

取締役社長
前田隆則氏
今回は、兵庫県尼崎市田能にある美喜製作株式会社を訪問した。同社は、車両用電動機および駆動装置部品加工、産業用機械部品加工を主力とする金属加工メーカーである。昭和45年4月に現代表の父である前田喜美夫氏が創業。前田氏は約20年間、小型工ンジンやコンプレッサーを中心とした金属加工業に従事したのち、旋盤1台と1人で「美喜製作所」として尼崎市にて独立、エンジン始動用コンプレッサー部品の加工をメインとして行っていた。

▲尼崎市田能にある本社工場

▲豊中工場
その後、事業の拡大に伴い豊中へ移転し、設備投資とともに従業員数も増加していき現在の社名である「美喜製作株式会社」となった。やがて拠点が二か所に分かれる形となった豊中を、効率化と将来を見据えた判断により、現在の尼崎市田能へ本社機能を集約した。旧本社は現在も豊中工場として稼働を続けている。当時、主力であった取引先の先行きに陰りが見え始めた際、前田氏は一つの仕事に依存するリスクを感じ、徐々に新たな案件を受注し始めた。その後、主要取引先が吸収合併されるという大きな転機を迎えるが、事業の多角化が功を奏し、経営への影響は最小限に抑えられた。
さらに大きな転機となったのが、横型マシニングセンターの導入である。この設備投資をきっかけに、大手企業からの大型案件を受注。品質と対応力が評価され、その案件は現在も継続している。当時、この大型案件をきっかけに取引先から出向してくれた技術者が早期退職後も同社に残り、今なお現場の中核として活躍している"ものづくり達人"である。
同社の現場力と人を大切にする社風を象徴している。

▲NC旋盤で加工する前田社長
令和7年9月、美喜製作株式会社は近江鍛工株式会社グループの一員となった。きっかけは、金融機関から「将来を見据え、後継者問題も含めてM&Aを検討してはどうか」という提案であった。令和7年6月に近江鍛工と出会い、同じ”ものづくり”を生業とする企業同士としての親和性、事業領域の広がり、そして何より「社員がこれまでと同じ形で働き続けられる」という条件が決め手となった。単独では難しかった継続的な設備投資も、グループ参画によって続けていける見込みだ。定期的な新設備導入により、技術力と競争力をさらに高めていく構えだ。

▲汎用旋盤でパイプ加工

▲NC旋盤による精密部品加工
現在、美喜製作株式会社では技術継承問題への対応に取り組んでいる。その一環として、令和7年9月よりDX化への取り組みを本格的に開始した。これまで紙で管理していた図面をすべてデジタル化し、専用ソフトで一元管理を行っている。各図面には、加工後の写真、見積書、使用材料、工具や手順を記した段取りシート、さらには注意事項などの情報を紐づけて保存。図面単位で管理することで、検索一つで過去案件を即座に呼び出すことが可能となった。若手社員が作業に迷った際も、写真や段取りシートを検索することで、べテラン職人の技術を確認できるように進めている。
同社の強みは、鉄道関連部品を長年手がけてきた点にある。異形物が多く、加工難度が高いため敬遠されがちな仕事も積極的に受注してきた。特に鉄道の心臓部ともいえる駆動装置部品では厳しい公差が求められ、高い加工精度が評価されている。また、前田社長は「人と人とのつながり」を大切にしたいと、これまで積極的な営業活動に頼ることなく、信頼関係で仕事を積み重ねてきた。その姿勢は今も変わらす、技術と人を次代へつなぐ取り組みへと繋がっている。

▲加工に関するワンストップ受注を可能に!
同社では、地域貢献の一環としてトライやる・ウィークの受け入れを定期的に行っている。受け入れにあたっては、「どうすればものづくりに興味を持ってもらえるか」を考えて取り組んでいるそうだ。安全面への配慮は最優先事項目だ。怪我が起きないよう十分に注意しながら、生徒には文鎮やサイコロづくりを体験してもらっている。完成したサイコロを使ってCADですごろくを作成するなど、ものづくりの面白さを体感できる内容となっている。こうした取り組みを通じて、将来「ものづくりの業界で働きたい」と思ってもらえる第きっかけになれば、と同社の人材育成への思いは、次世代へ繋ぐ大切な役割を果たしている。

▲トライやるウィークの様子

▲製作したサイコロ